12年ぶりに訪れた『ギャラリーフェイク』

 

漫画『ギャラリーフェイク』の新刊が12年ぶりに発売されていたので、懐かしさから購入してみました。

紙の本ではなく、電子書籍で購入。

電子版コミックの購入先はいつもhontoにしています。

ギャラリーフェイクとは?

『ギャラリーフェイク』は、1992年から2005年まで小学館の『ビックコミックスピリッツ』で連載されていた、細野不二彦の漫画。

贋作専門の画商・藤田玲司が、助手のサラとともに美術品にまつわる事件を解決していくというもの。

といってもミステリー的な要素はそれほどなく、むしろ社会問題や美術界の制度的問題をテーマにしていて、人情味あふれる傑作エピソードが多かったのを覚えています。

当時を思い出してみると、スピリッツは毎週欠かさず購入していたわけではなくて、ちょっと漫画でも読もうかなあという気分の時に手にしていました。

『Happy!』や『東京大学物語』、『いいひと。』、『伝染るんです』、『奈緒子』……。

そんなタイトルとともに『ギャラリーフェイク』は購入した時にはちゃんと読む作品ではありましたが、決して熱心な読者だったわけではないと自負しています。

最新33巻の内容

さて、そんな懐かしさとともに再会した『ギャラリーフェイク』33巻ですが、これが思った以上に良かった。

最近読んだ漫画の中でも、少なくともこうやって記事にしようと思うくらいには内容が充実していました。

最新刊では、主人公のフジタが出張先で東日本大震災に被災したり、

ヨーロッパの移民問題に端を発するアートテロを解決したり、

中国企業による日本の家電メーカーの買収に関わったりします。

ついにフジタが3Dプリンタを購入、なんてエピソードも。

これぞ2010年代の『ギャラリーフェイク』!

でもこのような現代的なテーマは、ただ物語の素材として消費されているわけではありません。

例えば震災のエピソードでは、現地で活動を続けている美術ボランティアの紹介をしたり、テロのエピソードではオランダの画家ジェームズ・アンソールを媒介にして、異文化圏のなかで自らのアイデンティティを失い、「仮面」をつけて生活しているムスリムたちに心を寄せたりしています。

自ら避けては通れない事柄に正面から向き合い、どんな漫画にしようかと構想を練り、徹底的なリサーチを重ね、これだけの物語にまとめあげる力量に、どのエピソードも圧倒されまくりました。

3月に放送されるという「浦沢直樹の漫勉」のシーズン4に、細野さん取り上げられないかな。

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