#004 「MEXICO THE COOKBOOK」のデザイン

引き続き「MEXICO THE COOKBOOK」について。

このcookbookのコンセプトについては、前回の記事を書くことで自分でも理解することができた。おさらいをしておくと、それはアメリカのジャンクフード文化によって消滅の危機にさらされている伝統的なメキシコ料理を、体系的に整理してそのレシピを記録化し、その文化を後世に継承することだった。そしてその原風景は、家族や友人と食卓を囲むというシンプルな人間の生の営みのなかにあった。

さて、今回はいよいよデザインについて見ていこう。と言っても、ぼくはデザインはからっきしの専門外なので、印象論になってしまうのはご容赦いただきたい。

「MEXICO THE COOKBOOK」の装幀はこんな感じだ。書籍本体にかけられたカバーは、あざやかなピンク色をしている。文字は薄い青紫色で、なんともキャッチーだ。

これがカバーの背の部分。

そしてカバー裏。3体の骸骨がお菓子がいっぱい入った籠を頭に載せ、自転車をこいでいる。いいね。

カバーをとると、表紙はこれまたあざやかなオレンジ色。文字はピンク色に変わっている。

背表紙。

裏表紙は出版社名だけとシンプルだ。

全体的にポップな色使いがとても印象的となっている。

奥付によると、この「MEXICO THE COOKBOOK」のデザインを手がけたのは、「barbara says…」というリスボンのデザイン集団だという。恥ずかしながら、まったく耳にしたことがないので調べてみることにする。

barbara says…の中心的デザイナーは、1971年南アメリカ生まれのAntónio Silveira Gomesという人物。

1996年にリスボン大学のファインアート学部を卒業し、翌年、デザイナー仲間のJosé AlbergariaとNuno Horta Santosとともにbarbara says…を結成する。この頃すでにエディトリアルデザインを手がけていたという。

António Silveira Gomesは、2001年からはポルトガルのカルダス・ダ・ライーニャにあるデザイン系の大学で講師として勤務する。その一方で、彼のポスター作品はブルノ国際グラフィックデザインビエンナーレ(チェコ)、ラハティ国際ポスタービエンナーレ(フィンランド)、テヘラン国際ポスタービエンナーレ(イラン)、ショーモン国際ポスター・グラフィックデザイン・フェスティバル(フランス)などで特集された。

Barbara Says…のホームページでは2013年までのデザインワークスが掲載されているので、興味を持った方はのぞいてみてほしい。

2006年以降は、António Silveira Gomesはパートナーであるエディター/ジャーナリストのCláudia Casteloとともに、the Projecto Próprio Design e Comunicaçãoというエディトリアルプロジェクトにも取り組んでいるのだという。

ホームページをご覧になった方は、barbara says…のデザインの雰囲気をつかんでいただけたかもしれない。

色づかいはわりと派手めなのかもしれないが、トーンをおさえているので仰々しさのないデザインだ。「MEXICO THE COOKBOOK」の基本デザインも、同様の路線が踏襲されていると言えるだろう。

しかし、この「MEXICO THE COOKBOOK」の装幀には、さらなる仕掛けがほどこされている。カバーをよく見ると、メキシコの伝統のある意匠がデザインに取り込まれているのだが、お分かりになるだろうか?

詳細については、また次回。

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